測定に関して

Q1.液晶画面の数値が安定しなかったり、通常予想し難い数値が表示される。
A1.CMH本体と外部電極ケーブルの接続部分や、ケーブル自体が動いた為にノイズが混入したと考えられます。できるだけ安静にして測定して下さい。
A1'.被験者の皮膚表面の角質などを、酒精綿で拭き取ってから電極パットを貼り付けて下さい。角質などの汚れもノイズ混入の原因になります。
Q2.電極を腕以外の部位に貼って測定できますか?
A2.類似胸部誘導でも測定可能です。
Q3.測定時間を変更できますか?
A3.標準タイプのCMHは5分間の測定時間で固定されています。 又、その5分間のデータを部分的に取り出して解析する事もできません。 但し、CMH本体の最大メモリー容量は一回測定時間5分×最大メモリー数6回=30分ですが、それを均等に分割したカスタマイズタイプを受注生産できます。(この特注品も測定時間・メモリー数は固定となります。)

解析画面に関して

Q1.CMH本体からデータが転送できないので、解析画面を見る事ができない。
A1.正常に解析用ソフトウエアとUSBドライバーがインストールされている事を確かめて下さい。
・解析ソフトウエアのタイトル名:CheckMyHeart HRV Analysis Software
・USBドライバーのタイトル名:PL-2303 USB-to-Serial
それでも転送できない場合は以下の手順に従って下さい。
①解析ソフトウエアを立ち上げてからPCと付属のUSBケーブルを接続して下さい。この時、USBケーブルとCMH本体を未接続のままにして下さい。
②PCと接続されたUSBケーブルをCMH本体と接続する。
③PC画面左下のマークが以下の表示になっている事を確認してから転送ボタンを押して下さい。
(長押しするとデータが消去されてしまいますのでご注意下さい)
A1'.新品のアルカリ電池に交換して下さい。容量不足は転送不良の原因となります。
Q2.転送した心電図がグレーアウト(灰色表示)されて、時系列解析や周波数解析の画面が表示されない。
A2.測定された心電図の信号に紛れてノイズも混入されて転送された為に、正常な心電図(R-R間隔)と認識されていない可能性があります。 周囲でEMI(電磁干渉)が考えられる機器のご使用をお控え下さい。
A2'.乾電池を新品に交換して測定して下さい。
又、電極パットを貼る前に「アルコール綿」で皮膚表面を拭くと効果的です。更に右画像の様なクランプ型電極パーツが市販されています。
皮膚との接触面積が広いので安定した電位が得られます。
但し、接続部分の形状が異なっていたり、一旦接続すると取り外しが困難となる場合がありますのでご注意下さい。

解析ソフトウエアに関して

Q1.解析結果の管理について教えて下さい。
A1.解析結果(心電図波形,時系列及び周波数解析)の出力やjpg画像のmail送信が可能です。 又、RRIの生データは「テキスト形式」で、各解析方法のDetrend,NonDetrendは「EXCEL形式」で管理できます。
Q2.心電図上に表示されるバーとバーの違いは?
A2.バーは解析に用いられているRRI、バーはそれから除外されているRRIです。これは解析ソフトウエアが自動判定しますが、先生方の判断でこの判定を修正できます。 全心電図画面上の波形を左Wクリックすると画面下部に拡大表示されます。 該当するバーを左クリックして色を変える事でRRIのn数に追加、削除できます。
※CMHをご使用になられる先生方の研究内容によって、測定データの統計的な処理方法が選定されます。よって以下の内容はあくまで参考としてご一読下さい。
Q3.心拍変動(HRV)解析の内、自己回帰法(AR法)と高速フーリエ変換法(FFT法)のどちらを用いるのが一般的ですか?
A3.FFT法に於いて、被験者によっては低周波成分を分離する事が困難な場合があり、低周波成分が問題となる場合はAR法が良いと考えられますが、臨床的な応用の際には両手法に大きな差が出ない事が多いと言う報告があります。
Q4.DetrendとNonDetrendのどちらが標準的な解析法なのか?
A4.一般的にはNonDetrendの様です。Detrendを解析法に用いる目的は「呼吸」の影響を減らす為で、「呼吸」はVLF成分を増加させる要因なので、DetrendではVLF成分が減少します。

参考書に関して

Q1.心拍変動解析に関する参考書はありますか?
A1.以下書物をご紹介します。

「心拍変動の臨床応用―生理的意義,病態評価,予後予測」
発行者:(株)医学書院 〒113-8719東京都文京区本郷5-24-3 TEL03-3817-5600
Book-No:ISBN 4-260-10949-9 Y6600

「循環器疾患と自律神経機能」
発行者:(株)医学書院 〒113-8719東京都文京区本郷5-24-3 TEL03-3817-5600
Book-No:ISBN 4-250-10896-4 Y8000